どれも一緒じゃない?!ヒアルロン酸の種類とその特徴

ヒアルロン酸といえば、しわや目の上のくぼみの改善から鼻筋を高くする、また豊胸まで幅広く使用されている美容医療業界では大変メジャーな施術材料ですが、実はヒアルロン酸には実は様々な種類があり、その効果も様々です。
そこで、美容クリニックで使用されている人気のヒアルロン酸の効果や費用についてまとめてみました。
■ジュビダームビスタ【アラガン・ジャパン】
アラガンと言えば、2015年にアメリカの製薬会社大手のファイザー製薬によって約1600億ドルで買収されたのが記憶に新しいところです。これによって業界最大手のノバルティスファーマを抜く世界最大規模の製薬メーカーが誕生しました。ちなみにアラガンはヒアルロン酸以上にボトックスで有名な会社で、その他ドライアイ治療などにも力を入れています。
そしてこのアラガンが手掛けるヒアルロン酸「ジュビダームビスタ」シリーズの大きな特徴は、「ヒアルロン酸の濃度」にあります。従来のヒアルロン酸よりも濃度が濃いため持続期間が長い点がポイントです。通常、4~6ヶ月ほどで肌に吸収されてしまうと言われていたヒアルロン酸ですが、ジュビダームビスタは1年程度でも持ちが続きます。
安全性にも定評があり、日本で初めて厚生労働省に認可されたヒアルロン酸としても知られています2015年6月には麻酔入りの「ジュビダームビスタウルトラXC」「ジュビダームビスタウルトラプラスXC」もリリースされています。
■リジェンフィール
リジェンフィールは顔専用に作られたヒアルロン酸です。顔専用の為、テクスチャーが柔らかいのが特徴です。粒子が小さいため唇や目尻の細かなシワなどに注入しても違和感がなく、自然なし上がりになります。価格が安いためコストをかけたくない方に人気です。
■ベロテロ【MERZ】
以前は「エセリス」として知られていたヒアルロン酸がリニューアルしたのがこの「ベロテロ」です。FDA(米国食品医薬品局=日本の厚生労働省のようなもの)の
認可を得たため、以前のエセリスよりも信頼性が高くなりました。
ベロテロは皮膚内部の膠原線維間(コラーゲン線維間)に滑らかに注入できるため、目尻の小さなシワや眉間のシワなどの治療に適しているヒアルロン酸です。
■スタイレージ【Vivacy】
フランスでトップシェアを誇るVivacy社のヒアルロン酸です。
このヒアルロン酸の最大の特徴は、テクスチャーが柔らかさに加えて持続性が長いという点です。通常のヒアルロン酸の場合は、柔らかなテクスチャーだと持続性が短いという欠点がありましたが、このスタイレージはその欠点を克服したヒアルロン酸です。
「マンニトール」という強力な抗酸化剤が配合されており、その働きによって注入したヒアルロン酸の分解を最小限に抑えるので、ヒアルロン酸が組織内で長くとどまることができ、独自の特許技術によって分子量の違うヒアルロン酸を組み合わせている為、注入後の皮膚がデコボコにならずに自然な仕上がりになるのがこのスタイレージです。
■ダイヤモンドフィール
唯一、国産(資生堂)のヒアルロン酸を使用しているのが「ダイヤモンドフィール」です。(製造メーカ―は海外です)クロスリンク(架橋結合)率をあげているため皮膚組織が活性化し、ヒアルロン酸の持つ保湿機能を充分に発揮し、肌全体がふっくらとよみがえりシワの改善にも役立ちます。従来の施術の「皮膚を盛り上げる」という使用方法とは異なり、皮膚組織そのものを活性化させるために使用されることが多いヒアルロン酸です。
クロスリンク(架橋結合)の際、架橋剤の使用を最小化し、クロスリンク率を100%まで引き上げることで、架橋剤へのアレルギー反応を極小化し、架橋されていないヒアルロン酸による持続期間の半減をなくし、持続性のあるのも特徴のひとつです。
多くの美容クリニックでヒアルロン酸注入を行っていますが、実は使用しているメーカーは様々。「注入したけれども1ヶ月もたたないうちに元に戻ってしまった」などと言った声が聞かれましたが、最近のヒアルロン酸は持続性の長いものが増えてきました。テクスチャーの堅さも仕上がりを左右する重要なポイントなので、持続性とテクスチャーのバランスを考えてヒアルロン酸を選びたいところです。
また、大手クリニックなど価格が安い病院では、ヒアルロン酸を薄めて使っている・・・などという噂もありました。(真実は分かりません)最近ではこういった患者側の不安をなくすために、ヒアルロン酸注入前に目の前で袋からあけてくれるクリニックもあるようです。価格だけではなくヒアルロン酸の品質、そしてクリニックの姿勢もしっかり見極めた上でヒアルロン酸注入を行いたいところです。