肝斑・シミ治療のレーザートーニング

レーザートーニングは、Qスイッチヤグレーザーによってしみや肝斑を改善する治療です。
◆肝斑治療の歴史
レーザートーニング治療が登場するまでは、肝斑治療は内服薬を続けることしかできませんでした。肝斑は刺激に弱いため、強いレーザー照射等を与えると逆に肝斑がひどくなってしまうことが多かったからです。内服治療はそれほど威力がなく、結果を出すには2年以上を要することがほとんどでした。
◆肝斑とは
30代後半から多く現れる、頬の上部などを中心に左右対称に丸みを帯びた形でできるしみを指します。妊娠、出産などの女性ホルモンの影響や紫外線の影響で出てくると言われていますが、明確な原因はまだわかっています。
また肝斑の一口に言っても、実は他のしみと混合しているケースがほとんどです。
老人性色素斑、脂漏性角化症、雀卵斑(そばかす)、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)などが他のしみとして挙げられますが、いずれもQスイッチヤグレーザーで一緒に治療を行いながら、内服薬や他治療とあわせて改善を進めるケースも多いです。
◆Qスイッチヤグレーザーによる肝斑治療
Qスイッチヤグレーザーには複数の照射法が搭載されています。通常のレーザーの場合は「ガウシャン型」といい、中央部分を中心にレーザー照射を行う照射法です。この方法で肝斑に照射をすると照射が強すぎて炎症を起こしたり肝斑がひどくなることがあります。
そこで肝斑治療の場合には、「ガウシャン型」とは別の照射法である「トップハット型」照射を行います。「トップハット型」の場合、照射する部位全体に対して、0.1mm単位の細かな深度で調整を行いながら均一にレーザー照射を行うことができるため、照射が強すぎて炎症を起こすこともなければ、逆に照射が弱すぎて効果が出ないということもありません。
※レーザートーニングは、しみ・肝斑治療とあわせて肌質改善効果もあります。ハリ、キメ、毛穴の開きの改善、また目元や口元のしわも改善できます。全体的な美肌効果があるため人気の治療です。
◆併用する治療法
・内服薬
しみを改善するだけではなく皮膚全体のトーンを明るくするためにビタミンC(コラーゲン生成サポート)やトラネキサム酸(美白効果)の服用などを組み合わせることがあります。
なおトラネキサム酸は、プラスミンという物質の働きを抑制することで、メラニンを作り出す前にメラノサイトを日活性化させ肝斑ができにくい状態にします。
・注入系(コラーゲンなど)
トーニングと同時に行うことでより内側からハリのある肌にすることができます。また目元、ほうれい線など気になる部位に選択的に注入ができるためより希望のライン、肌質にすることが可能です。
◆Qスイッチヤグレーザーの機械
Qスイッチヤグレーザーには、サイノシュア社のメドライトC6というものがあり、現在も多くのクリニックがこの機種を使っています。なお2015年にメドライトC6の上位機種としてレブライトSIという機種が新しく発売されました。まだ全国でもそれほど導入しているクリニックは多くなく、(医療機器は結構高いのです…)都内ですと以下のようなクリニックで導入されているようです。
みずほクリニック(池袋)
Fクリニック(麹町)
五本木クリニック(学芸大)
◆施術後のケア
レーザートーニング照射後はお肌が敏感な状態になっているので、極力日焼けを避けるよう注意してください。またレーザー照射によって肌の水分が減少しているため、普段以上に保湿ケアを徹底するとよいでしょう。